芸術か物好きか、はたまたガラクタか―フランス・プロヴァンス地方に「クルマの墓場」と呼ばれる場所があります。そこに並ぶのはほぼスクラップ状態のスポーツカー達。
このクルマたちのオーナーは「ゴンベ(La Gombe)」というあだ名で親しまれ、生前スポーツカー専門技術職として活躍した男性ゲラルド・ゴンベルト氏。1980年代に彼が亡くなり、その後「ゴンベ・コレクション」達は放置されたまま雨風に晒され、「クルマの幽霊がいる」と噂されるまでの状態に変わり果ててしまいました。
ですが彼の死後30年余りが経った今年11月10日、コレクションの中から6台のアルピーヌA110達がフランスのオークションにてついに出品されたのです。
状態としてはレベル5~6(レストア不可欠・現行では走行不可)の評価でしたが、モータースポーツの歴史を飾った貴重なモデルもあり、それぞれ約200万円~500万円の値段で落札。他にも彼のコレクションであったボートやトラクター、細かなパーツ、自動車メーカーの広告看板など291点を出品した結果、希少価値の高いものばかりだったことから総額は約2億円まで上りました。
「ゴンベ」は相当こだわりのあるコレクターだったのでしょう。自身のコレクション達が完全に朽ちる前に人の手に渡り、彼は空の上でそっと胸を撫で下ろしたかもしれません。
出典・参照元:http://www.oldtimer-markt.de/node/8309
[ライター/スポーツカーラボ編集部]